例年に比べて暖かい長野県・松本市
窪田空穂記念館横、窪田空穂生家で今年の秋も将棋教室を開催の運びとなりました。
開会式直前。
このあとも続々子どもたちが到着。みんなわくわくしながらもちょっと緊張気味の表情。そうだよね。プロ棋士の先生と会うんだもんね。
今回のプロ棋士の講師は
石川陽生七段 小林宏七段 横山泰明六段 田中悠一五段に加え、夏の空穂教室にひきつづき棋友館の小田切葉月先生が来てくださいました。
葉月先生からプロ棋士の先生方のご紹介をしていただきました。
恒例の模範対局です。
プロ棋士の所作を間近で見て、子どもたちは対局姿勢やマナーを学び、プロの醸し出す空気を味わっています。
今回は動画を多めで紹介します。
石川陽生七段の司会、横山泰明六段の解説。
小林宏七段と田中悠一五段の対局です。
駒を並べる作法から。
駒を並べ終わったら「振り駒」です。
横山先生「振り駒を知っている人いますか?出来る人はいますか?」
子どもたち「(静かに手を挙げる)」
いよいよ対局開始です。
対局後の小林宏先生のお話。
「駒をきちんと相手にも見えるように置いてください」
「将棋を指すときは駒を持たないで考えるというのがとても大事」
「将棋は狭いようで広いので、隅から隅までみること」
「歩を打つときは二歩じゃないかどうかよく確認して」
田中悠一先生のお話。
「毎回私は、将棋の駒はマス目の真ん中に入れるとか、あいさつはしっかりしましょうと言うのですが、今回は将棋の内容についてお話します」
「将棋は最初8種類の駒で20枚持っています。いろんな駒を使ってあげるとよいですね。サボっている駒が多いと勝てませんので、いろんな駒を動かすことを意識しましょう」
駒のしまい方。
「きちんと数えてしまう」ということも大切な作法です。
「歩は18枚。 掛け算でさぶろく18、みんなよくわかってるね。3つずつ6回しまいます」
模範対局が終わってすぐに指導対局です。
こどもたちも気分はプロ棋士。姿勢良くプロに挑みます。
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こちらのお写真は「MSG総統」こと、塩尻支部の丸山佳洋さんから提供していただきました。
子どもたちの姿勢良く伸びた背中。盤を見つめる真剣な表情。どの子からも「将棋が大好き」という気持ちが伝わってきます。
指導対局は5面指し。
プロ棋士との対局を待っている間は塩尻支部のアマ強豪がお相手します。
右下が「MSG総統」さま。右上は長野県中学生チャンピオン。
午後には子ども対象の「腕くらべ大会」が待っています。
その前哨戦のつもりで、初めての子と対局をする子どもたちも大勢。時間がゆっくりと濃く流れていきます。
空穂生家将棋教室のおとうさんのような石川先生。
また、空穂教室を飛び出して学校訪問や長野県高校生イベントへの出演など、普及活動を多くしていただいています。
石川先生の人柄に触れ、「また石川先生に教えていただきたい!」とリピーターも多いのです。
「将棋はいろんな駒を動かそうね」と、模範対局のお話につなげたご指導をされていました。
優しい語り口に指導を受けた子も、素直に頷いていました。
石川先生のお話
「みんな強くなりました。駒の組み方がきれいになってきました。将棋は形がきれいなところから、いろんな技を覚えて強くなるということをアドバイスしました。強くなるのは素晴らしいこと。将棋を通じて人間を磨いて素晴らしい人になってほしいなと思っています。そう思って作法のお話もしています。」
小林宏先生は、良かったところを大きな声で褒めてくれます。
この日、午後から大事なお仕事があったにもかかわらず「午前中だけでも・・・」と参加してくださった小林先生。下の動画は、午前の部終了時駒をしまったあと、「ぼく、九九できるよ」と年長さんの男の子が披露してくれている場面です。模範対局の小林先生のお話よく聞いていたんですね。
小林先生のお話
「駒をマス目の中央に入れて姿勢もよく集中力もあった。対局姿勢も素晴らしかったです。
将棋は負けてしまうとすごく悔しい。悔しい思いをするということは負けてしまった子を見て「この子、悔しいんだな」と人の気持ちがわかるようになる、ということ。将棋は勝ったり負けたりするけれど、負けてしまった子の気持ちを感じられるような人に成長していってください。」
窪田空穂生家将棋教室のレギュラー講師と言って過言でないほど、足繁く通ってきてくださる横山先生。現在NHK杯でも勝ち進んでいます。子どもたち、みんなテレビで応援しています!がんばってください!1枚目の写真は横山先生がメガネをはずされたところを目撃して嬉しそうな男の子。
動画は午後の部の様子。丁寧で細やかなご指導です。
横山先生のお話
「みなさん、おつかれさまでした。保護者のみなさんもお疲れ様です。
みなさん、お家に帰ったらおとうさんおかあさんに「プロの先生と将棋を指してこういうことを言われたよ、こう褒めてもらえたよ」と報告してください。そうすると自分もよく覚えられます。だから、強くなりたければおとうさんおかあさんに報告するといいと思います。」
長野県出身の田中悠一五段。
四段デビューした翌年からこの教室の講師として毎年来てくださっています。
長野のこどもたちにとって、プロ棋士に教えていただく機会はそうそうありません。
空穂教室に来てくださる先生は、長野の子どもたちにとって一番身近なプロ棋士。
まして同じ長野県で生まれた田中先生とあれば、なおのこと子どもたちは近しく、そしてまぶしく感じています。
田中先生のお話
「将棋の上達はもちろんですが、あいさつや対局マナーがよく集中して指している子が多くて、長年やってきてうれしいな、と感じています。将棋はちょっとずつしか上達しなくていきなりバーンと強くなることはないのですが、「次に同じ間違いをしない」というのがとても大事。言われたことを次に気をつけてひとつひとつ克服されていけば強くなれると思います。」
時間いっぱい子どもたちがプロ棋士のご指導を受けて、午前の部が終了しました。
お仕事で小林先生が帰られたので、午後の指導対局は、石川先生、横山先生、田中先生。
午後は大人も参加できます。
葉月先生は子ども腕くらべ大会の運営です。
午後の部は先生方も一段と気を引き締めていらっしゃるようです。
田中先生に挑むこのふたりは、今年度長野県高校新人戦県代表。年明けに岡山の全国大会に出場します。
横山先生に挑むのは、やはり長野県女子トップクラスの高校生と中学生。
この二人も以前から空穂教室に通って腕を磨いてきました。高校生女子はさきほどの男子と同じく年明けの全国大会に出場!がんばってください!
秋の光。
障子越しに揺れる樹木の葉。
時折聞こえる鳥の声。
我らがMSG総統さまが石川先生に
なんと平手で勝利!おめでとうございます!!
子どもたちは午後、「腕くらべ大会」に挑戦。年長さんから中学生まで24名が参加しました。
手合係。ふざけている場合じゃないですよ。手合をつけてもらうのを待ってる子が見てますよ!
子どもたちを見守っているのは、窪田空穂生家将棋教室のもうひとりのおとうさん。
塩尻支部会員で小学校の教頭先生、空穂教室設立のきっかけを作った山下同先生です。
写真にはありませんが、山下先生に誘われて松本協立病院の矢崎顕二先生もおいでになっていました。
将棋の輪がまたひとつ大きくなりました。
腕くらべ大会の優勝賞品はなんと!
藤井聡太七段の扇子です!
優勝はこちらを向いている彼でした!
午前中、田中先生にみっちり教えていただいた成果かな。おめでとうございます!
(写真:MSG総統様提供)
夏に引き続き来てくださった小田切葉月先生。
開会式のプロ棋士紹介の段取りにも度肝を抜かれましたが、午前の初心者講座に午後の腕くらべ大会の監督に指導対局に・・と、八面六臂の活躍ぶりでした。
「一局お願いします」
長野県高校女子代表からも対局のリクエスト。快く応じてくださる葉月先生。
午前の部 閉会式での葉月先生のご挨拶
☆将棋が強くなる考え方として「相手に感謝すること」
☆将棋は長く楽しめるコンテンツ。今隣りに座っているお友達とおじいちゃんになっても将棋を指しているかもしれません。
☆将棋を通じて「自分を育てる」「相手も育てる」「みんなで一緒に楽しむ」ということをやっていけたらいいな、と思います。
すてきな将棋の伝道師。心に届く言葉をありがとうございました。
今回は大人の女性の参加者も多くありました。
長野県各種将棋大会に空穂教室も以前から参加しているKさんは、横山先生に勝利!おめでとうございます!
また初心者の地元の方も果敢に田中先生に挑んでいました。
特筆すべきは遠く愛知県から来ていただいた熱烈田中悠一ファン!
遠慮する彼女に、席が空いたら入るように促す地元将棋少年の母たち。連携プレーのおかげで無事田中先生のもとに送り込むことができました☆
山梨の宴会部長こと、内藤さんも夏に続いてのご参加。
午前中はもうひとり愛知からいらっしゃった女性初心者に駒落ちのご指導をしてくださいました。
ありがとうございます。
思いがけなくまたひとつ将棋の輪が広がりました。
女性初心者に優しく教えているこの方。
「北部遠征師団長」でおなじみの松本仁志さん。
なんとなんと!教室終了後の懇親会で
石川先生から三段免状授与のサプライズ!
窪田空穂生家将棋教室を、陰にひなたに支えてきた功績へのご褒美です!!
松本さんから喜びのコメントをいただきました。
窪田空穂生家将棋教室懇親会で、石川先生から三段免状をいただきました。
全くのサプライズで、さらには年明けに自分で購入しようと準備をしていたところでしたので、驚き以上に嬉しさで一杯です。
こちらは窪田空穂生家将棋教室の功労という事でいただきました。
自分には過分なねぎらいで、この教室を続けて頂いた皆さま方にこそ、本当の功労があるとおもっています。
今後はさらに一生懸命手伝えるよう頑張ります。
もちろん送迎の道も間違えません!(実は今回も宗賀小への入り口を間違えた)
まずは普及指導員より先に、地図が読めるように勉強しなおします。
いつもお力添えを頂いておりますプロの皆様始め、塩尻支部の皆様、本当にありがとうございました。
松本仁志
松本仁志先生、おめでとうございました!
これからも空穂教室を盛り上げていきましょう!
将棋ファンのみなさま。
今後も窪田空穂生家将棋教室をよろしくお願いいたします!