毎年夏と秋に、松本市・窪田空穂記念館横の空穂生家で、プロ棋士による大きな将棋教室が開催されます。
ゲストのプロ棋士の先生方は、その将棋教室前日に県内各地の小学校へ将棋の指導をしてくださっています。(とても嬉しい慣例です!)
地方の子どもたちにとって、プロ棋士とのふれあいは、めったにない貴重な機会です。
今回は東御市立田中小学校へ、日本将棋連盟棋士の石川陽生七段と田中悠一五段が来てくださいました。
東京を朝早い新幹線でお越しくださった先生方。ちょっと寒そうです。
校長室で本日の打ち合わせ。
残念ながら校長先生は不在でしたが、教頭の渡辺先生が田中小学校のことをたくさん教えてくださいました。
石川七段の後ろの棚にはお相撲さんの色紙がいっぱい!
さすが雷電為右衛門の生まれ故郷!
2時間目。3年1組で将棋教室がはじまりました。
写真左は長野県内で将棋を教えていらっしゃる 日本将棋連盟塩尻支部の松本仁志先生。
県内の小中学生を何人も全国大会に導いた、将棋を教えるのがとても上手なアマチュアの先生です。
まずは、プロ棋士による「模範対局」
駒の取り出し方、駒の並べ方、振り駒のやり方など、将棋の作法を学びます。
プロ棋士の醸し出す「本物の空気」
3年1組のみなさんは、緊張しながら静かに先生方の手つきを見つめていました。
模範対局のあとは、お待ちかねの「指導対局」
3年1組では「総合の時間」に将棋を取り入れて勉強していたそうです。
日本の伝統文化を取り入れた授業・・・いいですね!
田中悠一五段は、長野県長野市出身のプロ棋士です。
将棋を始めたのが小学4年生の時。
中学生でプロ棋士を目指し、奨励会に入会。長野市から東京へ新幹線で通い修行をしてプロ棋士になりました。物静かでとても優しい先生です。
石川陽生七段は、日本はもちろん世界にも将棋を広めているすごい先生です。アメリカ、ブラジル、ケニア、オランダ・・・時間があれば世界のお話も聞きたかったですね。
さらに石川七段は、今年栄誉ある「将棋ペンクラブ大賞 技術部門優秀賞」を受賞されました。
受賞した「三間飛車名局集」は、将棋を始めたばかりの子にはむずかしいかもしれませんが、本屋さんでみつけたら手にとってみてくださいね。
沈思黙考。
落ち着いて考えるこの時間が、子どもたちを成長させるのだと思います。
楽しかった時間は、あっという間。
石川七段、田中五段にはこどもたちから握手攻め、サイン攻め。
担任の堀内先生が「いいなあ・・・私も欲しい・・・」とうらやましそうでした。
3時間目は3年2組。
プロ棋士の模範対局からはじまります。
教頭先生が、子どもたちを激励にきてくださいました。
「がんばってね!」
「はい!」
3時間目は3年3組。
教室に入ってきた先生方を静かに待つ子どもたち。
あいさつがきちんとできる、礼儀正しい田中小学校の皆さんのことを棋士の先生方はほめてましたよ。
堀内先生は、高校将棋女子団体長野県優勝者。
全国大会でも、5位という成績を持つ将棋の強豪で、長野県将棋界では有名人です。
みんな、知ってたかな?
今回来ていただいた石川七段、田中五段とも高校時代からのご縁があり、今回の学校訪問が実現しました。
「みんなー、将棋は好きかー?」
「イエーィ!」
棋士の先生方も楽しみにしていた給食の時間!
1組に田中五段
2組に石川七段
3組に松本先生がご一緒しました。
給食をいただくと、あたたかくて・・・・とってもおいしい!(写真を撮り忘れたのが残念!)
東御市の小中学校はすべて自校給食なのだそうです。
田中小学校に来てくれた田中悠一五段と別れがたい3年1組のみなさん。
「また来てね!」「絶対ぜったい、来てね!」「約束してね!」
田中五段も「また来たい。呼んでね」っておっしゃっていましたよ。
田中小学校の校庭には「土俵」がありました。さすが雷電の里です!
校庭脇には小川が流れ、夏には魚のつかみ取りのイベントをするとか。
自然豊かな環境で、のびのび育つ子どもたちの姿に棋士の先生もパワーをいただいて帰途につきました。
田中小学校の児童のみなさん、先生方、ありがとうございました。